
「可笑しい? そうだよね、可笑しい存在よね、私。」
「・・・。」
「年下の一樹さんに救いを求めたの。 あんまり一樹さんが綺麗だから。 その透明さに憧れたのかも知れない。」
「透明?」
「そう。 私みたいに汚れてない。 瑞々しいほどに透明な感じ。」
「汚れてる? とてもそうは見えないですけど。」
美沙は長い睫毛を伏せて唇をきつく結んだ。
「何か、気に障わりました?」
「ううん。 いけないのは、穢れているのは私だから。」
美沙の頬を伝う涙の粒がテーブルのキャンドルライトに赤く光った。
「お願いがあるの。」
美沙は真摯な瞳で一樹を見つめた。
「今日はあなたの好きにしていいと言ったんだから、何でも聞きますよ。」
「本当に?」
美沙の声は何処か心細げだった。
「はい、本当です。」
「後悔しても知らないから。」
「しないと思いますよ。」
「一樹さんは強いんだ。」
美沙は一樹に甘え掛かった。 生硬なそれでいて少し甘い香りが美沙の鼻腔を擽った。
「これから行くところが本当のメイン。 大人のディズニーランド。」
美沙はレストランを出てからずっと一樹の肩に頭を持たせかけるように抱きついて歩いた。 一樹はいつの間にか美沙の細い肩を抱いていてくれていた。 二人は晴海通りを和光の角で左に折れ、中央通りを真っ直ぐに進んだ。 美沙は時折、顔を上げて一樹の鼻筋の通った顔を盗むように見て微笑み、またすぐに肩に寄り掛かった。 二人は殆ど何も話さなかった。
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「・・・。」
「年下の一樹さんに救いを求めたの。 あんまり一樹さんが綺麗だから。 その透明さに憧れたのかも知れない。」
「透明?」
「そう。 私みたいに汚れてない。 瑞々しいほどに透明な感じ。」
「汚れてる? とてもそうは見えないですけど。」
美沙は長い睫毛を伏せて唇をきつく結んだ。
「何か、気に障わりました?」
「ううん。 いけないのは、穢れているのは私だから。」
美沙の頬を伝う涙の粒がテーブルのキャンドルライトに赤く光った。
「お願いがあるの。」
美沙は真摯な瞳で一樹を見つめた。
「今日はあなたの好きにしていいと言ったんだから、何でも聞きますよ。」
「本当に?」
美沙の声は何処か心細げだった。
「はい、本当です。」
「後悔しても知らないから。」
「しないと思いますよ。」
「一樹さんは強いんだ。」
美沙は一樹に甘え掛かった。 生硬なそれでいて少し甘い香りが美沙の鼻腔を擽った。
「これから行くところが本当のメイン。 大人のディズニーランド。」
美沙はレストランを出てからずっと一樹の肩に頭を持たせかけるように抱きついて歩いた。 一樹はいつの間にか美沙の細い肩を抱いていてくれていた。 二人は晴海通りを和光の角で左に折れ、中央通りを真っ直ぐに進んだ。 美沙は時折、顔を上げて一樹の鼻筋の通った顔を盗むように見て微笑み、またすぐに肩に寄り掛かった。 二人は殆ど何も話さなかった。
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