
店員の賛辞を後目に美沙は「彼が駄目って言うから。」と言って、そそくさと試着室に消える。
「楽しい。 ありがとう。 試着しちゃうと断るのが難しくって、なかなか出来なかったの。」
二人は次々とブティックを巡り、美沙は着せ替え人形のように次々と試着した。 その度に一樹は整った顔に酷薄な表情を浮かべて、「似合っていない。」と酷評した。
「お腹空いたでしょう。 美味しい物を食べましょう。」
二人は数寄屋橋交差点南東角のビルを地下へと入っていった。 しっとりと暗い店内には、居心地の良さそうなソファが壁際に並べられている。 二人は隅のラウンドしたソファに案内された。 低めのソファに腰掛けて擦り上がったワンピースから美沙のすんなりとした太股が白く浮かび上がる。
「私の我が儘に付き合ってくれて、本当にお疲れさまでした。」
美沙は油断していた一樹のすっきりとした頬に口づけをした。 一樹は慌ててその頬を手の甲で拭う。 その仕草を見て美沙はくっくっと笑った。
「もしかして、彼氏居なかったんですか。」
笑われた腹いせに一樹が逆襲に出る。
「居ないと思う?」
美沙は婉然と聞き返した。
「居ないですね。 間違い無い。」
一樹は素っ気なく言った。
『そう。 彼氏はいない。 ご主人様しかいない。 今も、今までも。 そう。 私は彼氏が欲しかった。 たった一日だけでも、心が嬉しくてピンクに騒わめいてしまう彼氏が。』
「酷い言い方。 でも、当たりだから悔しい。」
その甘えと悔しさが入り混じった口調に一樹は愉しそうに笑った。
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「楽しい。 ありがとう。 試着しちゃうと断るのが難しくって、なかなか出来なかったの。」
二人は次々とブティックを巡り、美沙は着せ替え人形のように次々と試着した。 その度に一樹は整った顔に酷薄な表情を浮かべて、「似合っていない。」と酷評した。
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「私の我が儘に付き合ってくれて、本当にお疲れさまでした。」
美沙は油断していた一樹のすっきりとした頬に口づけをした。 一樹は慌ててその頬を手の甲で拭う。 その仕草を見て美沙はくっくっと笑った。
「もしかして、彼氏居なかったんですか。」
笑われた腹いせに一樹が逆襲に出る。
「居ないと思う?」
美沙は婉然と聞き返した。
「居ないですね。 間違い無い。」
一樹は素っ気なく言った。
『そう。 彼氏はいない。 ご主人様しかいない。 今も、今までも。 そう。 私は彼氏が欲しかった。 たった一日だけでも、心が嬉しくてピンクに騒わめいてしまう彼氏が。』
「酷い言い方。 でも、当たりだから悔しい。」
その甘えと悔しさが入り混じった口調に一樹は愉しそうに笑った。
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