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『アンドロメダな朝』美少女とご主人様の愛の物語・毎日過激に更新中 

【絶対R18】愛故に奴隷になった美少女と愛する者を責め苛まずにはいられない男の愛の行方は。

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☆ その1945=込み上げる不安。

 仕方無く咲織は事務員についてビルに入った。 内心、ほっとしていたのも事実だった。 ビルから灯りが消え、人が出てくるまで冬空の底に佇んでいたかも知れなかった。 咲織は初めて寒さを感じた様に黒いコートの襟元を合わせていた。

 ドアを通るとまるで高級ホテルのラウンジを小さくした様なロビーに出た。 大きく開かれた窓と白が解放感と清潔感を演出し、要所を締める腰板と家具のモカが高級感を持たせていた。 所々にさりげなく金色が使われている。 高いがそれだけに安心できるクリニックと言う注文にインテリアデザイナーは完璧な仕事で答えていた。  

 事務員は一流秘書の所作で咲織を奥のエレベーターへと導いた。 お陰で咲織は少しだけ、これからその身に起こる悲劇に足を止めずにいられた。 エレベータは小さいながらも全面にオーク材を使って、院長は趣味がいいのだと言わんばかりに落ち付いた雰囲気を見せていた。

「こちらで院長がお待ちです。」
 院長室と書かれた厚い木のドアを事務員がノックした。 
「やあ。 相変わらずお美しい。 お待ちしてました。 どうぞ。」
 飯田が品のいい笑顔を載せて自ら出てきた。 促される儘に咲織は室内に足を踏み出した。 

「どうぞ。 そこのソファに掛けてください。 あっ、コートをお預かりしますよ。 この部屋では暑いでしょう。」
 飯田は事務員に帰る様に言うと、ドアを閉めた。 鍵を掛ける音が咲織の耳を打った。 
心臓が喉から出そうだった。 気取られまいと硬くした躯から飯田が手慣れた所作でコートを剥ぎ取っていた。 三宅とは違う男の臭いに怯えた。 血の気が引いていく。   

「そんな硬くならないで、知らない同士ではないでしょうに。 さ、座っててください。寒かったでしょ。 暖かいコーヒーはいかがですか。」
 返事をする前に飯田は部屋の右隅に設えられたバーカウンターへと遠ざかった。 緊張の糸が切れた様に、咲織はふらふらと座り心地の良さそうな白い革張りの大ぶりなソファに座りこんでいた。 

 咲織は大きく息を継いだ。 少しは落ち着こうとして部屋をゆっくりと見回した。 院長室ではあっても寛ぐべき私室では無く、客を招くための部屋に思えた。 ロビーと同じく招かれた客に安心感と清潔感を与えながらも、同時に客に自分は特別なのだと奢らせるだけの豪華さが加えられていた。 壁紙はウィリアム・モリスだろうか、白を背景に淡いがはしゃぎ過ぎない赤花模様が効いていた。 ローズウッドの作り付けの本棚がそれを引き締め、そして高級感と品の良さを伝える緑も濃い有名画家の日本画が壁を飾っていた。 それらが全て今の咲織には余所余所しく、一層不安と怖れを掻きたてた。


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